ウェブ会議の拡大が交通死亡事故の裁判に与える影響とは?
2022年7月4日よりインターネットでつないで民事訴訟の手続を進める「ウェブ会議」がすべての地方裁判所で開始されるに至りました。
交通死亡事故の民事裁判は、地方裁判所でスタートすることが一般的ですが、ウェブ会議の開始により、交通死亡事故の裁判はどのような影響を受けるでしょうか?
結論からお伝えすると、すべての地方裁判所でウェブ会議が開始されるに至ったことは、交通事故の被害者側にとって、メリットしかないと考えています。
ウェブ会議が開始される前は、裁判所へ訴訟を提起する被害者側(原告側)の弁護士は、初回の裁判で裁判所への出席を求められることが一般的でした。また、2回目以降の裁判も原告側と被告側のいずれかの弁護士が交互に出席を求められることが多かったです。
これにより、裁判所が遠方の場合には、日当や交通費など被害者側の費用負担が少なくありませんでした。また、弁護士側も出廷に要する移動などは長期の時間的拘束を受けざるを得ませんでした。それゆえ、被害者側も弁護士側も遠方の事件は「相談しにくい/受けにくい」という関係が生じていたものと思います。
しかしながら、ウェブ会議の開始により、加害者側(被告側)に弁護士が就任する事件では、弁護士が就任したことが裁判所に明らかとなった時点で、出廷を要する初回期日を取り消して、ウェブ会議で初回の打ち合わせを実施するという運用が一般的になりました。
これにより、遠方の裁判所であっても、被害者側の日当や交通費などの費用負担が軽減され、弁護士側の拘束時間も短時間となりました。それゆえ、遠方の事件であっても被害者側も弁護士側も「相談しやすい/受けやすい」という関係が生じてくると考えます。
すべての地方裁判所でウェブ会議が開始されることにより、被害者側は、地域にとらわれることなく、弁護士を探して依頼することができるようになったと感じます。
これにより、弁護士の専門性に対するニーズはより高まるものと思います。
千葉志法律事務所は、交通事故の被害者側の法律問題を専門的に取り扱う法律事務所として、全国からのご相談・ご依頼に対応しております。
ご相談は何度でも無料で対応しておりますので、当事務所の交通事故の被害者側の事件に対する専門性を是非とも実感いただければと思います。